シート防水の特徴と、メンテナンスが必要な症状について
「防水工事にはシート防水の他に、FRP防水やウレタン防水がありまして・・」
工事担当者からそんな説明を聞いて、混乱している人はいませんか?
防水工事は、建物を水から守るとても大事な作業です。
しかし、工事内容や方法は専門用語が多く、全てを理解する事は難しいでしょう。
そこで今回は、新築工事やリフォーム工事の検討を進めている人の為に、シート防水とは何か?という部分を詳しくお伝えしていきたいと思います。
それでは、そもそもシート防水って何?というところから見ていきましょう!
今回の記事の内容は下記の通りです。
1.シート防水はFRP防水やウレタン防水と何が違う?
防水工事で用いられるものは、大きく分けて3種類に分けられます。
特徴 | |
シート防水 | シートを敷く |
塗膜防水(FRP防水、ウレタン防水) | 液体状の塗料を塗る |
アスファルト防水 | 防水シートと溶解アスファルトを敷く |
今回ご紹介するシート防水は、防水機能をもったシートを敷く事で防水層を作るというものです。
皆さんが雨の時にレインコートを着るように、建物にもシート状のものを着せるようなイメージになります。
FRP防水などの塗膜を作るものは、建物そのものに膜を作るようなイメージ。
レインコートというよりは、撥水クリームやスプレーを想像するといいかもしれません。
なんとなく違いの想像はできたでしょうか?
特にシート防水は勾配が小さい陸屋根やビルの屋上に使われる事が多いので、皆さんが目にする事は少ないかもしれません。
そんなシート防水の特徴を詳しく知っていただく為に、ここからは種類や工法についてお伝えしていきたいと思います。
レインコートというよりは、撥水クリームやスプレーを想像するといいかもしれません。
なんとなく違いの想像はできたでしょうか?
特にシート防水は勾配が小さい陸屋根やビルの屋上に使われる事が多いので、皆さんが目にする事は少ないかもしれません。
そんなシート防水の特徴を詳しく知っていただく為に、ここからは種類や工法についてお伝えしていきたいと思います。
シート防水は塩ビシートとゴムシートの2種類
シートの種類は2種類になります。
それぞれの特徴は下記の通りです。
耐候性 | 紫外線 | |
塩ビシート | ◎ | ◯ |
ゴムシート | ◎ | △ |
現在では、塩ビシートが主流となっています。
屋上や陸屋根など紫外線に当たる部分に使われる事が多いので、紫外線に耐える事ができるのがとても大切な事です。
シート防水の工法は密着と機械固定の2種類
シート防水の工法には密着工法と機械固定工法の2種類があります。
それぞれの特徴は下記の通りです。
耐久性 | 歩行性 | 工期 | 特徴 | |
密着工法 | △ | ◎ | ◎ | 下地の影響を受けやすいものの、工期も短く歩行性もいい |
機械固定工法 | ◎ | △ | △ | 金具を取り付ける為、歩行には適さないが水分が入りにくい |
採用される事が多いのは機械固定工法ですが、施工する場所によって工法を検討する必要があります。
信頼できる業者であれば、適切な工法を選択してくれるので、工法についてはプロに任せるのが良いでしょう。
工法などについても、不明点があったらその都度質問して納得がいく工事となるようにしていく事が大切ですね。
2.シート防水のメリットとは?
シート防水のメリットは下記の通りです。
①工期が短いからリフォーム工事でも安心
②他の防水方法より安価
③耐用年数が長い
早く終わる上に、工事金額も安いのが大きな特徴になっています。
詳しく見ていきましょう!
シート防水のメリット①工期が短いからリフォーム工事でも安心
シート防水の工期は、3〜5日程度となっています。
硬化や作業に時間がかかるウレタン防水と比較すると、約半分の工期で施工が可能。
住みながら行うリフォーム工事においては、人の出入りが気になるところなので、工期が短いのはとても嬉しいですよね。
シート防水のメリット②他の防水方法より安価
シート防水は、FRP防水やウレタン防水と比較して工事金額が安い特徴があります。
工期が長いウレタン防水と比較すると、人件費や技術費の面でとても有利。
アフターメンテナンスにおいても、破損箇所のみの修繕が可能なので、トータル的に考えてもとてもお得な防水方法と言えます。
シート防水のメリット③耐用年数が長い
塩ビシートを機械固定工法で施工した場合は、約15年程の耐用年数となります。
施工した場所の天候や地震、建物の劣化状態にも左右されますが、他の防水方法と比較して長く持つのが特徴です。
しかし、塩ビシートを紫外線から守るトップコートは5〜10年程の耐用年数になります。
シートを劣化から守り、防水機能を維持する為にとても大事な塗料なので、トップコートは定期的に補修するのが良いでしょう。
3.シート防水のデメリットとは?
シート防水のデメリットは次の2つです。
①鳥のイタズラに影響される
②金具の取り付け時の機械音が気になる
メリットと共に頭に入れておきたい事ばかりになります。
順番に見ていきましょう!
シート防水のデメリット①鳥のイタズラに影響される
シート防水の破損は、鳥のクチバシによるものが多いです。
屋上や陸屋根の上は、鳥にとって安全で休みやすい場所。
地域にもよりますが多くの鳥が集まるところもありますよね。
ただ休んでいるだけならいいのですが、餌を置いてみたり、シートが気になってクチバシでくわえてしまったりします。
FRP防水などの塗装系であればクチバシに引っかかる部分はないのですが、シートを使うシート防水では遊びの対象となってしまうのです。
鳥が多く訪れる場所では、鳥除けを置くなどして対処しましょう。
シート防水のデメリット②金具取り付け時の機械音が気になる
シート防水における機械固定工法では、金具を取り付けた上でシートを敷く手順で工事が進んでいきます。
その際の機械音や振動音が、リフォーム工事においては気になってしまう可能性が高いです。
しかし、密着工法であれば、最初の下処理の後は比較的静かな作業になります。
「どうしても音が気になる・・」という場合は、工法を相談するなどして検討を進めましょう。
4.シート防水のメンテナンスが必要な症状とは?
シート防水を施工した場合、下記のような事が確認できたらメンテナンスが必要になります。
・表面が膨れていて気泡が入ったようになっている
・シートが剥がれたり、破れたりしている
・表面の塗装が剥がれてきている
・水が溜まっている
シート防水のメンテナンスの多くは、部分的な補修で済みます。
しかし、建物やシートの状態によっては全て防水工事をやり直した方がいい場合もあるので、プロの判断を聞いてみましょう。
また、メンテナンスが必要な状態のまま放置してしまうと「雨漏り」や「住宅部材の腐敗」に繋がってしまう可能性が高いです。
そもそも防水工事というのは、建物を水から守る為の工事ですよね。
シートが破損したりしている状態は、その機能が果たせていない状態を表しています。
金額の安い小さな修繕で済んだところが、放置していた事で大きな金額の工事に発展してしまったら大変ですよね。
「早めの相談」を頭に入れて、定期的にシート防水のチェックを行いましょう!
シート防水の改修方法とは?
メンテナンスが必要なシートの破損や剥がれが確認できた場合は、下記のような改修作業を行います。
改修方法 | |
シートの破損、剥がれ | ・破損部分のみを修繕する ・再度溶着をする |
表面の塗装の剥がれ | ・紫外線から守るトップコートを再度塗る |
水が溜まっている | ・排水口に落ち葉などが詰まっている場合は取り除く ・シートの勾配などを再確認する |
日常生活で心がける事は、定期的に排水口を掃除する事と、硬いブラシなどを使って擦らない事です。
防水シートではありますが、水が溜まってしまうと劣化部分から水分が侵入する可能性もあります。
室内の掃除と合わせて、防水部分の点検も習慣にするようにしましょう。
5.シート防水を依頼する業者の選び方
シート防水を依頼する業者を選ぶには、下記のことに気を付ける必要があります。
・実績は豊富か?
・施工例は公開されているか?
・シート防水の施工実績はあるか?
シートを綺麗に敷いて接着していくには、熟練の技術が必要です。
見えない部分にまで気を遣わないと、アフターメンテが増え、不要な修繕費用までかかってしまいます。
ホームページなどで実績などを確認して、検討を進めましょう!
6.シート防水まとめ
今回は、シート防水の特徴やメンテナンスが必要な症状についてお伝えしてきました。
内容のまとめは下記の通りです。
耐久性 | 耐用年数 | 工期 | 施工音 | |
シート防水 | ◎ | ◎ | ◎ | △ |
しっかりとした施工ができれば、耐用年数は長く耐久性もあって、とてもいい防水方法になります。
信頼できる業者を見つけて、お見積もりを依頼してみましょう!