FRP防水とは?ウレタンやシート防水と徹底比較!
「見積書に書いてあるFRP防水って何?」
「リフォームをしたいけど、防水工事は難しい事が多くて・・」
そんなモヤモヤを抱えていませんか?
住宅工事に関わる項目は、どれも難しくて頭が混乱してしまいますよね。
その中でも、普段関わる事がない防水工事は専門的な言葉も多く、理解するのが難しい工事です。
そこで今回は、現在主流となっているFRP防水とは何か?他の防水工事の方法であるウレタン防水やシート防水とは何が違うのかを比較していきたいと思います。
記事後半では「どうやって業者を選べばいいのか?」という事もお伝えしていますので、是非最後まで読んで参考にしてみて下さいね。
1.FRP防水って何?
まずは「FRPってそもそも何?」という疑問の部分からお答えしていきます。
検討を進めているFRPは一体どういうものなのか、材料と施工方法を順番に見ていきましょう!
FRP防水の材料は何が使われている?
FRPは「繊維強化プラスチック」の略称です。
プラスチックに、強度を強くする為のガラス繊維などを混ぜたもの。
簡単に言えば、とても軽くて強いプラスチックです。
1番身近なところでは、お風呂の浴槽や屋上の駐車場などに使われている事が多い素材になります。
使用用途のキーワードは「水」。
水の侵入を防ぎ、建物や構造を守る役割を果たしているものです。
FRP防水の施行はどうやって行われる?
FRP防水は、繊維強化プラスチックを塗装していく工事になります。
大まかな流れは下記の通りです。
1.下処理(表面を削るなどして整える)
2.プライマーを塗る
3.ガラス繊維のマットを敷く
4.樹脂を塗る
5.トップコートを塗る
完成した後に見えている色はトップコートになります。
その下にはFRPが施工してある仕組みです。
2.FRP防水のメリット(ウレタン防水やシート防水のデメリット)
FRP防水を導入するメリットは、下記の4つです。
①地震に強い家を叶える軽さが魅力!
②沢山歩いても大丈夫な程の耐久性
③工期短縮で連休をとり続ける必要はなし!
④施行中の音が静か!
検討する上で大事な項目になりますので、是非参考にしてみて下さい。
FRP防水のメリット①地震に強い家を叶える軽さが魅力!
FRPはとても軽いです。
東日本大震災などの大きな地震を経験した事で、日本では「地震に強い家を作る」というのが1つのテーマとして掲げられています。
地震に強い家を作るには、住宅そのものを軽くする必要があるのです。
その流れから、大事な住宅のパーツを守る防水工事も、軽いものを使う事が主流となってきています。
FRPは他の防水工事の材料と比較してとても軽いので、住宅への負担を最小限にする事が可能。
住宅自体の重さを軽くする為には、とても重要な材料になっています。
FRP防水のメリット②沢山歩いても大丈夫な程の耐久性
FRP防水は、ベランダやバルコニーに採用される事が多いです。
その理由は、耐久性の高さにあります。
耐久性が低い素材を使った場合、その上を歩行しているうちに表面が剥がれてしまったり、破損してしまったりするでしょう。
新築して数年なのに、補修が必要になってしまう可能性も高くなります。
水を防ぐ為に施工するものなのに、その機能を果たさないまま劣化してしまっては意味がありませんよね。
耐久性が高いことは、とても心強いと考えます。
しかし、この耐久性の高さおいてはウレタン防水とシート防水においても充分な強さを得ることが可能です。
比較していく前提としては、この項目は3つ共クリアという事になりますね。
FRP防水のメリット③工期短縮で連休をとり続ける必要はなし!
リフォームは、自分達が住んでいる住宅を工事してもらう事が多いと思います。
暮らしているところへの工事関係者の出入りは、やはり気になるものではないでしょうか?
立ち合いは必要ないと言われたものの「やっぱりいないと気になってしまう・・」と感じますよね。
しかし、ウレタン防水が塗る作業から硬化までに5〜10日程要するのに対して、FRP防水は2日程度で完了します。
その分の工期が短縮になるので、工事する側もリフォームしてもらう側も嬉しいですよね。
FRP防水のメリット④施行中の音が静か!
FRP防水やウレタン防水は「塗装」がメインの作業になります。
その為、リフォーム工事での作業においても音が気になる事は少ないでしょう。
しかし、シート防水はシートを固定する必要があるので、ドリルなどの機械を使用します。
その際の振動音などが結構大きいです。
夜勤で昼間は寝ている家族がいる場合は、施工期間はとても大変な思いをする可能性があります。
その点、FRP防水はとても静かなので嬉しいメリットですよ。
3.FRP防水のデメリット(ウレタン防水やシート防水のメリット)
軽量で水に強いFRP防水ですが、デメリットもあります。
それは、下記の3つです。
①伸縮性が低く、ヒビ割れがしやすい
②紫外線に弱い
③費用が高い
メリットと合わせて、検討する際に参考にしてみて下さい。
FRP防水のデメリット①伸縮性が低く、ヒビ割れがしやすい
FRP防水は伸縮性が低い為、ヒビ割れを起こしやすいというデメリットがあります。
特に、木造住宅で導入する場合には注意が必要です。
鉄骨造と比較して、木造住宅は木材自体の伸び縮みも考えなければいけません。
広い面積で施工すると、この伸縮性の低さが際立ってしまうので、ベランダなどの小さい面積が適していると言えるでしょう。
FRP防水のデメリット②紫外線に弱い
FRP防水で作られた層は、紫外線に弱いです。
その為、FRP防水層の上にトップコートと呼ばれるコーティングが施行されています。
コーティングが経年劣化などで剥がれてしまった場合は、注意が必要です。
そのまま放置してしまうと、FRP防水の機能が失われ、住宅本体に影響が出てしまうでしょう。
一方、塩ビシートを使ったシート防水は紫外線に強いという特徴があります。
耐用年数においても、最大15年程と他の防水方法よりも長いです。
紫外線が当たりやすい場所に施工したい場合には、シート防水も検討してみましょう。
FRP防水のデメリット③費用が高い
工事を頼むにあたって、機能性などと合わせて「工事金額」も大事な検討項目となります。
いくら水に強くても、予算オーバーしていたのでは頼む事はできませんよね。
FRP防水は、ウレタン防水やシート防水と比較すると1㎡あたり500円〜1,000円程度費用が高いです。
もちろん、この金額の差は施工する会社によっても異なります。
お見積もりを依頼する際は、他の施行方法の金額とも比較してみるのが大切です!
4.FRP防水は小さい面積のベランダとバルコニーがおすすめ!
FRP防水の施工がおすすめな場所は「ベランダとバルコニー」です。
FRP防水やウレタン防水は、塗装作業が中心になります。
その為、施工する職人によっては塗りムラなどが発生する可能性が高いです。
また、FRP自体の伸縮性の低さを加味した場合、耐久性や軽量性などのメリットを活かしきる為には「小さい面積」での施工が適していると言えるでしょう。
大きい面積での施工を希望する場合は、シート防水も検討に入れる事をおすすめします。
耐久年数も長い上に大きい面積での施工に適している為です。
それぞれのメリットとデメリットを頭に入れて、検討を進めてみて下さいね。
5.防水工事を依頼する業者はどうやって選べばいい?
FRP防水などの防水工事を依頼できるのは、建築会社の他に「塗装業者」や「防水業者」があります。
それらの業者に依頼するメリットは、直接見積もりの依頼や価格の交渉ができる事です。
住宅を建ててもらった会社に依頼した場合、業者との仲介をしてもらう形になります。
見積もりは建築会社から受け取る事になるので、建築会社の利益も上乗せになってしまうのです。
どの程度上乗せになってしまうかは会社によりますが、工事金額の2割程度は加算されてしまうでしょう。
少しでも安く依頼する為には「直接依頼」が大事になってきそうですね。
しかし「専門的な事がわからないから不安・・」という人も多いでしょう。
そんな時は下記の3つの事を頭に入れながら検討を進めてください。
1 専門的な部分の説明は丁寧にしてくれているか?
2 見積書の内容は明確になっているか?
3 施工実績は豊富にあるか?
素人であるお客様に対してどういう接し方をしているのかは、とても大事な事です。
遠慮せずに質問ができるという雰囲気もとても大切な検討要素になります。
ホームページなどを確認した上で、無料見積もりなどを依頼してみましょう。
今回は、FRP防水とは何か?ウレタン防水やシート防水とは何が違うのかをお伝えしてきました。
・FRPは軽くて強いプラスチック
・FRPを塗る事で防水層を作る
このような特徴があるFRP防水。
ウレタン防水やシート防水と比較した時のメリットやデメリットについては、下記の通りです。
耐久性 | 価格 | 特徴 | |
FRP防水 | ◎ | ◯ | スレに強い為、歩行が多いベランダ等に施工するのが一般的。 |
ウレタン防水 | ◯ | ◎ | 安価でどこでも施工できる汎用性の高さが強み。 |
シート防水 | ◎ | ◯ | 耐久性は最も高いが、費用が比較的高め、主にビル等の屋上に利用される。 |
防水工事をしたい場所の面積が小さいのならFRP防水、広いのであればシート防水というように、その時に応じた検討が必要となります。
どの防水工事がいいのかを、一緒に考えてくれるような業者を選び、工事を進めていきましょう!