ウレタン防水の種類とそれぞれの特徴やメリットデメリットを解説!
「防水は、ウレタン防水で行います」
そう言われて、はてなマークが沢山出現した経験はありませんか?
日常生活とは無縁な防水工事の内容は、初めて聞く言葉が多くて大変ですよね。
「ウレタン」と聞けば、なんとなく断熱材やあたたかくする為のものと思い浮かぶ人もいるかもしれません。
しかし、ウレタン防水と聞いてピンと来る人は少ないでしょう。
そこで、今回は新築工事やリフォーム工事を検討するにあたって「ウレタン防水の特徴やメリットが知りたい!」と思っている人の為に情報をまとめていきたいと思います。
検討する際に必要な情報を盛り込みました!
是非参考にしてみて下さいね。
この記事の流れは下記の通りです。
1.ウレタン防水って何?
ウレタン防水は、ビルやマンションの屋上に多く使われている防水工事の一種です。
身近なところで言えば、食器を洗うスポンジや車のタイヤなどにも使われているものになります。
最近では、ウレタンがマスクに使われる事も多くなりましたね。
しかし、防水工事においてはスポンジなどのウレタンとは少し異なる使い方がされています。
施工方法などから詳しく見ていきましょう。
ウレタン防水の施工方法と種類
ウレタン防水は「ウレタン樹脂を液体状にして、均一に塗る」というものを指します。
塗って防水層を作るいわば塗装系の工事です。
また、同じウレタン防水でも下記の2つの塗り方が存在。
・下地に直接塗る「密着工法」
・緩衝材を入れてその上から塗る「通気緩衝工法」
これらは、施工する場所の状況によって工法が分けられます。
大きく使う材料や手順が変わるわけではないので「場所によって、塗る場所が違うんだな」という事だけ頭に入れておきましょう。
ウレタン防水とFRP防水とは何が違うの?
ウレタン防水同様に、塗る事で防水機能を持たせるものに「FRP防水」があります。
この2つの違いは下記の通りです。
使用するもの | 施工方法 | |
ウレタン防水 | ウレタン樹脂 | 液体の塗料を重ねる |
FRP防水 | ポリエステル樹脂 | ガラスマットの上に塗料を重ねる |
同じ樹脂系ではありますが、FRPはガラス繊維を使った施工になります。
この2つは主に「施工する場所」や「価格」によって区別されるもの。
「時と場合によってどちらを使うか決める」とだけ頭に入れておきましょう。
2.ウレタン防水のメリットとは?
ウレタン防水のメリットは下記の4つです。
①継ぎ目がない
②凸凹していても施工可能
③施工時もアフターメンテも安くできる
④リフォーム工事でも音が気にならない
検討を進める上で大事なメリット部分。
順番に見ていきましょう!
ウレタン防水のメリット①継ぎ目がない
ウレタン防水の特徴として、継ぎ目がなくシームレスな防水層が作れる事があります。
シート防水などの敷き型の防水工事のデメリットは、シートが剥がれて防水機能が失われる事です。
一方のウレタン防水は、継ぎ目がない一体型の防水層を作り出すので剥がれる心配はありません。
表面を守っているトップコートが剥がれる事で、防水性が損なわれる場合がありますが、それも簡単に補修が可能です。
定期的なチェックをしていれば、優秀さを保てる素材でもあります。
ウレタン防水のメリット②凹凸していても施工可能
塗装材であるウレタン防水は、表面が凸凹している状態でも施工が可能です。
また、とても柔らかいので施工する場所に合わせて防水層を作り出す事ができます。
一方、大きい面積でも施工がしやすいシート防水は、表面が平である事が求められます。
表面が凸凹していると、隙間が生まれてしまいシートが剥がれやすくなってしまうのです。
場所を選ばずに施工できるウレタン塗装は、様々なところで活用できますね。
ウレタン防水のメリット③施工時もアフターメンテも安くできる
工事や補修をするかどうか判断する際に「金額」は、とても大きな検討項目になりますよね。
ウレタン防水は、FRP防水に比べて比較的安価で施工が可能です。
また、アフターメンテにおいても、既存の防水層の上に重ね塗りができるので金額も抑える事ができます。
ウレタン防水のメリット④リフォーム工事でも音が気にならない
ウレタン防水は「塗る」作業がメインなので、とても静かな工事です。
一方、シート防水はシートを固定する際に金具を打ち付ける音が響いてしまいます。
ウレタン防水においても、機械音はする場面はありますが材料を混ざる際など限られた場面のみです。
新築工事であれば気になりませんが、住みながら行うリフォーム工事ではとても気になりますよね。
近所への配慮もしなければいけないので、極力大きな音は出さないような工事だと安心なのではないでしょうか。
3.ウレタン防水のデメリットとは?
ウレタン防水のデメリットは下記の2つです。
①仕上がりの良さは職人次第
②5〜10日程度工期がかかる
メリットと合わせて把握しておきたい事ばかりになります。
1つ1つ確認して、参考にしてみて下さいね。
ウレタン防水のデメリット①仕上がりの良さは職人次第
ウレタン防水の施工は、とても難しいものです。
それは、職人が手作業で塗料を塗り仕上げていく工事内容に原因があります。
皆さんはDIYなどで、木材にペンキを塗った経験はありますか?
また、絵具を使って絵を描いた時の事を想像してもいいかもしれません。
その時に、ペンキや絵具は均一に塗る事ができたでしょうか?
とても気を遣わないと、綺麗に均一に塗るのは難しいですよね。
ウレタン防水では、そんな細かい技術が求められます。
塗り方が悪いと、水たまりができてしまうなどして耐久性がダウン。
そのまま放置すれば、アフターメンテまでの年数を縮めてしまいかねません。
しかし、これらのデメリットは「実績のある信頼できる職人」に依頼すれば解決します。
ホームページなどの施工事例をよく確認してみましょう。
ウレタン防水のデメリット②5〜10日程度工期がかかる
ウレタン防水は、塗る作業から硬化するまでに5〜10日程度日数が必要です。
他の防水工事を含めた日数の目安は下記の通りになっています。
工期 | |
ウレタン防水 | 5〜10日 |
FRP防水 | 1〜2日 |
シート防水 | 3日〜5日 |
工期は、施工する時期によっても左右されるものです。
また、施工する職人によっても大きく影響を受けるものでもありますので、お見積もりの際は「工事期間は何日程度になりますか?」と確認しておくとよいでしょう。
4.メンテナンス時期は?
ウレタン防水自体の耐用年数は、13年程となっています。
地震の有無やそれまでの天候などによっても左右されますが、10年を過ぎたらそろそろだと思っていた方がいいでしょう。
主に補修が必要となるのは、下記のような場合です。
・ひび割れが起きている
・気泡のようなものが発生している
・表面が剥がれている
ひび割れが起きている場合は、表面の保護材であるトップコートが原因であるケースが多いです。
その場合は、重ね塗りが必要になります。
また、気泡が発生している場合は防水層に水分が入ってしまっている可能性が高いです。
ひび割れと気泡はどちらも、そのまま放置してしまうと住宅の大事な構造部分に水が侵入してしまう可能性があります。
防水部分を壊して、住宅の構造部の修繕を行わなければいけないケースもあるので、早めに業者に連絡して対処するようにしましょう。
5.ウレタン防水工事を頼む業者の選び方
ウレタン防水の仕上がりの良さには、作業する職人の腕の良さが影響します。
その為「経験が豊富な会社」を選ぶ事がとても大切です。
会社を選ぶ際の検討項目は下記の通り。
・実績が豊富にあるか?
・盛んに工事を行っているか?
・工事内容の説明が丁寧か?
これらを検討するにあたって必ず確認したいのがホームページです。
今や会社の顔と呼ばれるほど大切なもの。
更新が盛んに行われており、実績が確認できる会社で検討を進めていきましょう。
6.ウレタン防水まとめ
今回はウレタン防水の種類や特徴、メリットやデメリットを解説してきました。
内容をまとめると、下記の表のようになります。
費用 | 工期 | 耐久性 | |
ウレタン防水 | ◯ | △ | ◎ |
耐久性が優れており、費用も比較的安価であるのがメリットである反面、他の防水工事よりも工期日数が長いのがデメリットでした。
しかし、日数は施工する会社や季節によっても左右されるものです。
ホームページなどで実績豊富で信頼できる会社を見つけ、工期日数や価格の確認をしてみましょう。
皆さんの工事が、より良いものになるように願っています。